岐阜県立国際園芸アカデミー開学20周年記念式典
20th Anniversary Ceremony
令和6年11月12日(火)に、国際園芸アカデミー開学20周年記念式典を、ぎふワールド・ローズガーデン花トピア温室(可児市)で開催しました。
歴代学長、ご支援いただいている企業や金融機関、連携協力協定を結ぶ市町、関連業界、県関係者等の来賓、教職員、在校生、卒業生など122名の出席のもと、「感謝」「歩み」「つながる」をコンセプトに式典を開催しました。
式典は、陸上自衛隊第10音楽隊の「世界に一つだけの花」などの演奏で始まり、主催者及び来賓あいさつ、奨学金支援銀行への感謝状贈呈に続き、国際園芸アカデミー今西良共学長が20年の歩みを振り返りました。また、涌井史郎岐阜県花と緑の振興顧問による記念講演などが行われました。
会場には、国際園芸アカデミーの学生が制作したフラワーディスプレイや、国際園芸アカデミーの20年を振り返るパネル展示が行われ、出席者らは20年の歳月を思い起こしながら交流を深めました。
式典の概要
日時 | 令和6年11月12日(火)13:30~14:50 |
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場所 | ぎふワールド・ローズガーデン内 花トピア温室 |
内容 |
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式典内容
主催者あいさつ(岐阜県知事 古田 肇)
古田岐阜県知事から、20周年記念式典の開催にあたり、20年の取り組みや成果について紹介するとともに、改めて花と緑の産業における人材育成の必要性について述べられました。

この20年で、実践的な教育の質の向上ということで、ぎふワールド・ローズガーデンをアカデミーの実践教育フィールドとして整備した。また、モロッコ、中国、さらにはフランスから研修者を受け入れるなど国際交流を着実に進めてきた。今後は、全国都市緑化ぎふフェアや国際園芸博覧会が開催されることから、園芸分野における人材育成が重要だと感じており、国際園芸アカデミーには、こうした期待に応えてもらいたい。
来賓あいさつ
来賓を代表して、水野岐阜県議会議長、小笠原国際園芸アカデミー同窓会長から、祝辞が述べられました。
岐阜県議会議長 水野 正敏 氏

この20年間で多くの学生が国際園芸アカデミーで学ばれ、現在、花と緑の業界の第一線で活躍しており、アカデミーでの学習が実を結んでいる証で、本県の誇りである。
昨今、花や緑を取り入れたライフスタイルが注目されている一方で、花と緑の業界においても、人材不足や技術の継承が課題となっている。こうした中で、アカデミーには業界から大きな期待が寄せられている。アカデミーで学ばれた皆さんが本県の花や緑のスペシャリストとして成長されることを期待する。
国際園芸アカデミー同窓会長 小笠原 悠 氏

上級マイスター科の第6期生として、アカデミー教職員の手厚いご指導のもとで勉学に励むことができた。
アカデミーの卒業生は、生産者、花屋、造園家といった様々な視点から植物と向き合って2年間を過ごしてきた。そういう向き合い方ができたことは、私たち卒業生にとっては大きな武器だと日々感じている。これからも母校と連携しながら園芸業界の発展に貢献していきたい。
感謝状贈呈(大垣共立銀行、十六銀行)
開学以来、アカデミーの学生に毎年奨学金を支援していただいている功績に感謝し、古田知事から両行に感謝状の贈呈が行われました。
国際園芸アカデミー20年の振り返り(国際園芸アカデミー学長 今西 良共)
開学以来、ご支援ご指導いただいてきた関係者への感謝を伝えるとともに、20年の活動実績、人材育成の成果などについて、総括的に振り返りを行いました。
そして、次の20年に向け、更に人材育成に邁進し続ける決意が述べられました。

20年を経てたどり着いた国際園芸アカデミーの使命は「花と緑に関する専門的かつ総合的な知識と技術を有する人材の育成と現場を支える担い手として活躍できる実務者を育成すること」。夢を持って全国へ、そして海外へ大きく羽ばたいていく人材を育ててまいりたい。
記念講演「世界に羽ばたけ 岐阜県立国際園芸アカデミーの諸君へ!」(岐阜県花と緑の振興顧問 涌井 史郎 氏)
岐阜県花と緑の振興顧問である涌井史郎氏から、地球規模での課題解決と合わせて、国際芸アカデミーの人材育成の重要性と今後の活躍を期待する内容の講演が行われました。
「プラネタリー・バウンダリー」をキーワードに、現在地球環境が直面している課題について解説。その課題の解決のため、我々は、ライフスタイルや経済活動の在り方を見直さなければならない。こうした中で、自然との共存を図ることが重要であり、花と緑に関わる技術者が果たす役割が大きく、国際園芸アカデミーの学生の活躍に期待する。
国際園芸アカデミーは教職員、学生が明るく、ほのぼのとした温かい学校である。学生諸君と国際園芸アカデミーの教職員、さらに森林文化アカデミーも一緒になって、自然との共生についていい方向を作りたい。
(講演終了後、花き装飾コースの学生による花束贈呈が行われました。)
激励のことば「国際園芸アカデミーへの期待」
2025年の全国都市緑化ぎふフェア、2027年の国際園芸博覧会など、花と緑の大きなイベントが計画される中で、イベントの概要を説明するとともに、国際園芸アカデミーの参加・協力に対する期待が述べられました。
岐阜県都市都市公園・交通局長 舟久保 敏 氏

2025年4月~6月にかけて開催する全国都市緑化ぎふフェア「ぎふグリーン・ライフフェスティバル2025」について紹介。ぎふワールド・ローズガーデンを含む県営都市公園6か所と飛騨地域を会場として開催する。
国際園芸アカデミーには、ぎふワールド・ローズガーデンの「北の大花壇」のデザインや、花と緑の活動を支える人材育成などで協力いただいている。アカデミーがこの緑化フェアに参加・協力いただくことで、学校の認知や学生の技術、モチベーションの向上につながることを期待する。
(公社)2027年国際園芸博覧会推進戦略室長 脇坂 隆一 氏

2027年に横浜市で開催される国際園芸博覧会について、テーマ、概要、準備状況や広報活動などについて説明。この博覧会は、世界70か国が参加・出展する世界的なイベントである。
古田知事からも岐阜県としてこの博覧会に出展する意向が示され、その際には国際園芸アカデミーの学生も参加してほしいとの言葉があった。是非この国際園芸博覧会の場で国際園芸アカデミーの皆さんと一緒に花と緑の世界を盛り上げていきたい。
国際園芸アカデミーの記念式典事業
国際園芸アカデミー 20年の歩みのパネル展示
式典会場に設置したシステムパネルを利用して、20年の歩みのパネル展示を行いました。
パネルは、学生や教職員のメッセージ、人材育成の実績、受賞歴、歴代教職員名簿などの他、入学式・卒業式、海外視察研修、技能五輪全国大会、なんじゃ祭、夏まつりなどの主な行事の写真を中心に48枚作成し、20年の歩みを振り返りました。
式典における各専攻コースの記念事業
花き生産コース
花き生産コースでは、列席者に学生が育てたガーデンシクラメンの花苗をプレゼントしました。今年は秋の気温が高く、開花調整に苦労しましたが、何とかこの日に間に合わせ、お帰りの際に、学生から列席者に花苗をお渡ししました。花苗には、学生が作った20周年記念のポップも添えました。
花き装飾コース
花き装飾コースでは、式典会場のステージをフラワーディスプレイで飾りました。ステージ奥の左右に、柳の枝をベースにアレンジメントを組み合わせ、ボリュームのある作品に仕上がりました。
アレンジに使った花は、式典終了後、学生がその場で花束にして、列席者に抽選でお渡ししました。学生からは、「大きな式典会場を飾れたことは良い経験になった。」「花束を渡したお客様から喜びの感想が聞けたので、この式典のために一生懸命花束を作ってよかった。」などの感想が聞かれました。
造園緑化コース
造園緑化コースでは、花トピアホールに、開学から20年間の各種コンクールへの出展作品や卒業制作で制作した庭園などの図面や資料のポスター展を行いました。20年分のポスターは、ホールの壁を埋め尽くしていました。
開学当初は上級マイスター科があり、当時の作品のポスター展示もあり、式典に参加した上級マイスター科の卒業生が懐かしく見入っていました。
その他
歴代の学園祭(なんじゃ祭)の際に、学生会が中心になって作ったTシャツを花トピアホールに展示しました。新型コロナウイルスの影響などで開催できない年も何年かありましたが、Tシャツには各年度の学生が考案したデザインがプリントされており、国際園芸アカデミーの歴史の一ページと言えます。