教員ブログ

虎渓山永保寺と虎渓用水広場

著者:相田

9月18日(金)に岐阜県多治見市にある虎渓山永保寺と虎渓用水広場の見学をしました。造園学概論では座学だけでなく、学外の実際の造園空間を見学します。

虎渓山永保寺の南には愛知県に入ると庄内川と名前が変わる土岐川が流れています。この辺りの土岐川は何度も急角度に曲がっています。その理由は川の水の力ですら簡単に削れないほど硬い岩石があるからでしょう。虎渓山永保寺の山門近くには「岐阜県の石」であるチャートと思われる露頭があります。土岐川は硬い岩石にあたっては川の流れを変えを繰り返し、現在の流路となったのでしょう。庭園内にある梵音巌という滝も自然の岩石の露頭を利用した水景です。この庭を造った鎌倉時代の石立僧(作庭に従事した僧侶)である夢窓疎石は、硬い岩石に囲まれた小さな盆地形を利用して、この地に寺を構えたのです。庭も地形や地質から考察してみると、また違った見方ができると思います。

虎渓山永保寺の山門

虎渓山永保寺の山門

岩肌を水が流れる虎渓山永保寺の梵音巌

岩肌を水が流れる虎渓山永保寺の梵音巌

虎渓山永保寺六角堂から庭園を眺める

虎渓山永保寺六角堂から庭園を眺める

虎渓用水広場の水景

虎渓用水広場の水景