岐阜県立国際園芸アカデミーの学生・引率職員が5月19日から26日までの8日間、オランダとイギリスに行ってきました。今年の特徴は、オランダの行程に、キューヘンホフ公園、アアルメーア市場、花き生産農家やガーデンセンター、園芸資材業者などを組み入れたことです。
オランダについて、世界で最も美しい公園の一つに名を連ねるキューケンホフ公園は、チューリップを中心とした球根植物を中心に庭が造られているため、1年で8週間しか開園しません。その貴重な開園期間の最終日に訪問することができました。例年、最終日は多くの花が終わってしまっているのですが、今年は欧州が歴史的な大寒波に襲われたこともあり、最終日にピークに近い状態のチューリップを観賞できました。満開のチューリップが公園の樹木や池、水路に呼応する風景は、息をのむ美しさで、学生は時間がたつのを忘れて写真撮影をしていました。世界一の規模を誇るアアルメーア市場や生産ロボットを導入した花き生産農家、小規模ながらもデザイン性を高め、販売促進に力を入れている農家、施設面積5万㎡のガーデンセンターなどオランダの最新の花き流通の現場を見ることができました。
イギリスの行程ではキューガーデンやウィズレーガーデン、ハンプトンコートパレスなどの伝統的な庭園と今年で記念すべき100周年を迎えるチェルシーフラワーショウを視察した他に、生花店でのデモンストレーションも体験しました。
ハンプトンコートパレスでは、整形式庭園を学習する上で格好の教材となるプリヴィーガーデンと呼ばれる広い庭園やボーダーガーデンの植栽などを目の前にして、学生達は時間が経つのも忘れてカメラを手にして園内を走りまわっていました。チェルシーフラワーショウでは毎年、世界中のガーデナーが腕を競い合うコンペティション部門がいくつか開催されています。
このように世界でトップクラスのオランダの園芸ビジネスの様子、伝統を守りその輝きが衰えることのないイギリスの園芸文化に触れられたことは、学生に大きなインパクトを与え、今後の学習において大いに弾みがつくことでしょう。
キューケンホフ公園の息をのむ美しさ オランダの切花生産者の温室にて
ロンドンの生花店でのデモンストレーション