園芸色彩学
アカデミーには園芸色彩学があります。園芸に特化した色彩学の講座は全国でも本校だけと思われます。
講師の荏原先生は全国でも珍しい花専門のカラーコーディネーターを生業とされており、全国の花の生産者に商品開発をアドバイスをしたり、豊明花き㈱を始めとする多くの花関連の企業のカラーコンサルトして活躍されています。
アカデミーでは荏原先生に早くから注目して、園芸色彩学という学問を立ち上げ今年で15年目になります。今では学生にとても人気のあるアカデミーの名物授業となっています。
色の理論はありますが、色彩とは個々が受ける印象であり、感じ方も様々です。そこでまず自分に似合う色を見つけることで、自分の色の感性、他人の感性など認識していきます。
色の基本を一通り理解したなら、次は実際の花を用いて好まれる配色について学びます。この花では何色の鉢が似合うか?ラッピングは何色がいいのか?
花の色をカラーチャートから見つけ、理論上合う色や印感覚的に似合う色を見つけていきます。
自分の感性では「この花にはこの色の鉢、このパンジーにはこの色」というものがります。それをみんなの前で発表し、大勢の評価とすり合わされ、自分の感覚がより確かなものになります。
そして、より多くの人に好まれる花の配色を知ることができます。
今年は新たに荏原先生から、「フラワーセラピー、フラワーカウンセリング」を組み入れたいと提案がありました。それは、荏原先生が花に関する数々の講演をこなしていく過程で形成されたセラピーとカウンセリング術です。
花をどのようにデザインするかで素直な気持ちで自分を理解したり、隠れた深層心理についても触れていくものです。
初めての試みという事で、私も体験してみることにしました。
診断スタート。まずは心を落ち着ける瞑想から始めます。ヒーリング用のBGMとアロマオイルの香りが心地よく、体の緊張がほぐれていきます。音楽と香りと園芸の融合はこれからの商品開発のカギとなっていくことでしょう。
瞑想がおわると、花をデザインします。これは、装飾の授業で習った事は忘れて自分の思うまま感じるままに花を活けることがルールです。
さて、私の診断結果はどうだっったでしょうか?
荏原先生から、細部にわたるコメントをいただきましたが、紙面の都合上省略し、簡単に言うと「アメリカ的な経営者」ということでした。自分でも心当たるところが多く納得のいくもでしたが、選ぶ花や選択する色からいろいろなことがわかると思いました。
このフラワーセラピーは学生にとっては初めての経験でした。これを行うには、花の知識がなくてはなりませんし、人生経験も必要です。今まで知らなかった分野の花の付加価値に触れて、刺激を受けたようで講義後に先生に質問する学生が多数いました。今後の学習に弾みがつくことでしょう。